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2012年9月

2012年9月30日 (日)

阿部彩さんの講演 期待以上の感動

 「子どもの貧困-日本の不公平を考える」(岩波新書)の著者で国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんの講演を聞きました。日帰りで埼玉まで出かけただけの価値は十分にありました。

 大宮市で行われた地方自治研究全国集会の記念講演「すべての人に、暮らしを守るセーフティネットを」です。数年前に、彼女の著作を読んだ衝撃は忘れられません。そして講演も期待以上の感動でした。謙虚さのなかにも熱い思いが伝わってきました。 

 日本の貧困の特徴はワーキングプア、仕事についていても貧困から抜け出せないこと、とくにひとり親世帯。生活保護受給率1.6%は先進国中、極端に低い。など貧困問題の基礎を様々なデータも紹介しながら解説します。 

 講演の中心は、貧困連鎖と格差極悪論。子どもの貧困が健康や学力など大人になっても影響し、貧困の連鎖で社会的階層が分化する。そして貧困と格差が広がると、人々は攻撃的になってくる、上の階層の人も常にストレスにさらされ、社会全体が不健康になり、寛容さが失われてくる、人間関係の質が悪くなる。これを格差極悪論と名づけています。 

 じゃあどうするか。貧困の「医学モデル」と「社会モデル」という捉え方を紹介します。貧困に陥った人をいかに変えるか、更生させるか、という対策ではなく、様々な困難を抱えている人々を受け入れられるような社会をつくることこそ必要だと指摘します。貧困という概念を、社会的排除としてとらえなおし、それに対応するものとして社会的包摂という考え方を提示します。 

 貧困になってしまった個々人への対応を貧困の「川下」対策とすれば、求められるのは貧困を防ぐ「川上」対策、総合的な防貧の施策、最賃・雇用・住宅・社会保障などです。生活保護だけの貧困対策では問題は解決しない、連帯の力で社会を変えるアプローチを!とよびかけられました。

 

 こういう話が聞きたかったのです。生保パッシングの横行する背景には何があるのか、格差と貧困の広がりをくいとめることがどんな社会的意義があるのか、目の前の困った人たちを救う活動から、活動をどういう方向へ広げればいいのか、パアッと視界が広がるような講演でした。

 

 やる気がでる講演とはこういう講演をいうのでしょう。この日はナイター講座で、久しぶりに日野秀逸先生の話も聞きました。日野先生の社会保障論はさすがの切れ味。抜群の説得力です。阿部先生の話とあわせて、がんばる気力と展望が持てた一日となりました。

2012年9月27日 (木)

オスプレイ配備を強行するな! 全会一致で意見書を採択

 名古屋市会は27日の本会議で、国への意見書9本を全会一致で採択しました。そのなかには日本共産党が提起した「MV-22オスプレイの配備及び飛行訓練に関する意見書」もあります。この問題で、全会一致で意見書が採択できたことは画期的です。沖縄をはじめ全国を励ますことになると思います。

 今回のオスプレイの意見書ですが、意見書について協議をする政策審議会長の会議では、予想通り、民主・自民・公明の三党から、問答無用で反対との意思表明がされかけました。「安全保障は国の専権事項」「特定の地域の問題ではないか」といった意見です。

 しかし安全保障は国の問題というなら、尖閣や竹島の意見書も出せない、特定地域の問題といったら離島の問題もそうなるよ、といったやりとりもあり、せめて全国知事会が懸念を表明していることを踏まえて、地元自治体の意向を無視するな、という線でまとめることができないかなり、各会派間で協議が続けられてきたものです。

 減税日本から離脱した新会派に修正案を提案してもらい、微調整を経て、意見書の文案がまとまりました。党提案にあった「危険な」軍用機というような表現は削り、知事会決議で、良好な日米関係の維持についての懸念が示された、ことも引用することになりました。この点は言いたいこともありますが、一致点を探ることが重要です。

 最終的に意見書では、あいつぐ墜落事故なども紹介しながら、もはや特定の地域の問題ではなく全国的な問題であると指摘し、関係自治体の意向を十分に尊重し、米軍等関係機関へ申し入れるなど、国民の安全を守るために万全の措置をとるよう国に強く要望するものとなりました。

 配備反対とは直接には書いていないものの、政府の安全宣言が出され、試験飛行が始まった後で、関係自治体の意向を尊重せよ!という意見書を採択したことは大きな意義があると考えます。

 なお意見書全文は、「yamaguchiosupurei.pdf」をダウンロードするか、名古屋市会ホームページをごらんください

2012年9月26日 (水)

河村市長に予算要望

26日、党市議団は河村市長に、来年度予算要望を提出し、約30分間にわたり意見交換しました。予算要望とあわせて党の、外交交渉で尖閣問題の解決をの提言、即時原発ゼロを求める提言も市長に手渡しました。

予算要望の全体は「20120926_2013.doc」をダウンロード をご覧ください 

                                                   Photo_2    感想を一言で言うと、市長のやる気なさ、覇気のなさが想像以上だったことです。「わしは社長ではないもんで」「あんたらががんばってちょうだい」といった投げやりな言い方が続きました。

 岡田市議が養護学校のマンモス化の実態を現場で見てほしい、と言うと市長は「いっぺんいかせてもらう」と答えました。

 さはし市議が、小規模事業者への設備投資助成はありがたいが、現場は設備投資もリースが増えている、と訴えると「リースは対象にならんのか?、考えなけゃいかんわ」と答えます。市長肝入りの設備投資助成制度も、現場の実情をよく踏まえずにつくった制度でしかも制度の詳細もよく確かめていないようです。ちょっといい加減すぎます。

 田口市議が、原発は市長も「即時ゼロ」ですよね、と迫ると「そりゃそうだわな」と。太陽光発電の普及のために市の施設の屋根を提供する仕組みをつくろうと呼びかけると、「もうちょっと待ってくれ、というもんで。いいことだとわしも思うけど」と答えます。

 わしの市議も、住宅リフォームの助成をぜひ決断していただきたい、と迫ります。市長は「リフォームはいいんですけどね・・・国がやらないかんわな・・・」と必要性は認めながら、市長としては決断しないへなへなした態度です。

 、私たちは、金持ち優遇減税などに中止を求めるなど、対決姿勢をはっきりさせます。そのうえで、予算要望ですから、できるだけ積極的な提案をするように心がけていいます。市長の積極的な発言を、今後の活動に少しでも活かしたい。しかし、いま市長が発言しても部下が動かない、といった雰囲気が漂っています。やはり市民の運動なしに政治は動きません。市長発言に、過剰に一喜一憂せず、がんばります。

 私からは、4分野80項目にわたる要望書の概要を説明しました。以下そのメモです。  

日本共産党名古屋市議団の2013年度予算要望について

市民税5%減税が始まったが富裕層と大企業だけが優遇されており、とても「庶民減税」とは呼べまない。また公的福祉の解体と市民サービス削減、負担増への動きに加えて、新たな税金の浪費につながる動きは見過ごせない。

大企業と富裕層を優遇し大型公共事業を推進する市政から、中小企業支援と福祉の充実などで市民の懐を直接暖める市政への転換を求める。

そのために福祉と防災のまちづくり、内需拡大による経済成長、市民が主人公の市政改革をすすめるために、4分野80項目の要望をまとめた。

1. 

新自由主義的な市政運営の転換を求める 11項目

 いま言ったとおりである。金城ふ頭の開発については、民間主導の開発を否定するものではないが、基盤整備の名目で負担が増えることに懸念を表明する。

 平和市長会議は4年ごとに総会を開いている。来年は第8回総会が広島で開催される。ぜひ、それまでに加盟の決断をしていただきたい。

2. 

公的福祉を解体せず、医療・介護・保育・教育の充実で市民生活を守る

33項目

 市民の負担は税金だけでない。介護保険料、国保料、保育料などの負担軽減に力を注いでほしい。

とくに市長の公約との関係では70歳から75歳までの医療費窓口負担を1割から2割に引き上げることが予算概算要求で示されたが、この負担増をくいとめるため全力を。そして敬老パスをはじめとした高齢者の生きがい施策の堅持を強く要望する。公約にあった納税者憲章もぜひ。

 政府は35人学級を小中全学年に拡大する方針だと報道された。教室がもっと必要になる。教育環境の整備を。

子どもの貧困やいじめについては「なごや子ども条例」があるのだから、それを活かし、具体化する施策をすすめていただきたい。高校授業料が無償化されてもまだまだ負担は重い。給付型の奨学金の創設をふくめて、貧困の連鎖をふせぐ、予防的な施策をぜひ考えてほしい。

3. 

雇用拡大と中小企業の活性化で、名古屋経済の内需拡大型成長をめざす

14

項目

 中小企業振興基本条例には大いに期待している。設備投資減税の一本やりでは不十分。この分野ではおおいに知恵を出し合いたい。リフォーム助成制度の提案も進化させていきたい。

雇用対策を、短期的な就労支援から正規雇用につながる職業訓練や技術習得などに切り替えていく。

商売繁盛の名古屋にするために、地域の小売業再生プランをつくることを提案する。

4.

脱月発宣言を行い、防災と環境を重視したまちづくりをすすめる

 22項目

 防災計画の見直しでは、原発災害への対応を講じること。環境重視のまちづくりでは、道路公害問題の解決のために市長のイ二シアを強く求める。

 自然エネルギービジョンをつくり、自然エネルギーの大胆な活用を。

 

 

 

2012年9月25日 (火)

公害患者会が結成40周年

  みなと公害患者と家族の会、南区公害患者と家族の会が、それぞれ23日、22日に結成40周年の記念行事を開き、私はどちらにも顔を出し、みなとの集いではあいさつもさせていただきました。長年にわたる患者と家族のみなさんのがんばりに心から敬意を表します。
 どちらの集いでも話された、松本篤周弁護士(名古屋南部大気汚染公害訴訟弁護団事務局長)は、大気汚染改善のために国道23号線での車線削減(まずは社会実験)を呼びかけていました。訴訟の和解条項を実現する闘いはまだまだ継続中です。
 きれいな空気をとり戻す課題は、患者会だけの問題ではなく、全市民的課題だとあらためて認識させられました。

 私も議会では、ぜんそく患者の医療費助成を市長に迫り、臨港地区での大気汚染測定を実現させてきました。今度は、道路そのものです。名古屋市も車中心のまちづくりからの脱却をすすめるのが基本のはず。広い道路を車優先の使用形態でいいのだろうか、と問題提起をしているではありませんか。

 車線削減の実験を実現させるために、私も力を尽くします。

2012年9月23日 (日)

ボブ・マーリイの映画を見た!

1981年に36歳で亡くなったレゲエミュージシャンのボブマーリイの伝記映画がセンチュリーシネマで公開されています。どうしても見たい!と出かけてみると、予想以上に若いカップルが多い。場違いなおじさんの一人鑑賞でしたが、期待にたがわずなかなかのデキです。 

若い世代のみなさんの感想もぜひ聞きたい。レゲエがただのおしゃれな音楽とだけ思っていた人には、なんか小難しい映画だな、と感じられたかも。もっとも理屈抜きで登場する音楽に身を委ねているだけでも十分に気持ちいい一時を過ぎせたとも思いますが。

ボブマーリイの生い立ちから亡くなるまでを、数々の音楽と友人知人本人のインタビューと映像写真でまさしく伝記風に紹介する映画ですが、貧困や差別からの解放を、音楽という武器に闘い続けた彼の生き様がストレートに伝わってきます。

30年も前に亡くなったミュージシャンなのにとてつもない影響力です。彼の残したメッセージとパワーに再び圧倒されました。実は、私は高校生の時、彼の来日コンサートに出かけたという貴重な体験を持っているのです。たしか渋谷公会堂でした。いまなら当たり前だと思いますが、コンサートではいつのまにか大声で叫んでいて声がかれてしまいました。そして会場警備の人たちもいつのまにか一緒に踊りだしているではありませんか、パワーという点では人生で最高のコンサートでした。

愛と平和のメッセージなら、ジョンレノンでもフォークソングでも聞くことができますが、彼の詩には解放の思想が息づいています。ゲットアップ、スタンドアップ(立ち上がれ)、エクソダス(脱出だ)それらがレゲエのリズムにのってこれでもか、これでもか、とあおられる。

解放と平等を!高校生の時に浴びせられたこの強烈なメッセージを、あらためて咀嚼する、運動に参加するなかで社会科学を学んんでいくとそれは科学的社会主義の思想と運動につながってくる。私の活動の一つの原点が彼のメッセージ。そういう思い入れたっぷりに見てしまいました。若い人の目と耳にはどういうふうに彼のメッセージが届いているのでしょうか。

2012年9月21日 (金)

本会議場で防災訓練

 防災訓練を議場でも行いました。私はけが人を運ぶ役でした。リハーサルと違ったのは何人かの議員がおもしろがって大声を出したこと。騒然となるとマイクをとおした議長の指示も聞こえなくなりました。それでもやらないよりは何でもやっておいた方がいいですね。S  

尖閣諸島問題で各会派をまわる

 昨日、志位和夫委員長が「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」というタイトルの党提言を日本政府に手渡しました。藤村官房長官が応対しました。

 その経過と提言全文を掲載した赤旗新聞を、全議員分コピーして、今日、各会派の控え室を訪ね、それぞれの政策審議会長に手渡してきました。

 私はいま党市議団の政策審議会長です。各派の政審会長とは、議会が全会一致で採択する意見書の文言などをめぐり活発な議論をする間柄です。今議会でも、原発やオスプレイ、領土問題などで激しいやりとりをしたばかりです。

 自民が提案した尖閣諸島の意見書案は、島の警備など物理的対応と、領土問題は存在しない、という棚上げ論の意見書案であり、両国間の緊張激化を助長しかねないので賛同できない、という立場を私は主張しぬきました。

 でも、それは尖閣諸島の問題に後ろ向きということではありません。党が主張しているように、もっと積極的に外交交渉をすすめよう、という立場です。

 各党に、棚上げ論ではなく、領土問題の存在を認めたうえで、中国国民まで説得するようなつもりで交渉すべきだ、領土問題は存在しない、というのは竹島問題での韓国の態度と一緒で、日本はダブルスタンダードと言われてしまう、、など党の見解を説明しました。

 落ちついて一対一で話すと、みんな「交渉は必要だ」「経済問題も深刻だし現実的な解決策がいるね」といった反応が返ってきました。中国大使とも会談する、という志位委員長の行動も注目されています。提言と行動力のインパクトを実感しました。説得力抜群です。

 みなさんの感想もうかがいながら、また後日、中国大使との会談が載る赤旗もみなさんにお届けする予定です。

2012年9月20日 (木)

太陽光は誰のもの?

 本会議では、日本共産党から私の前に、さはしあこ議員が質問に立ちました。

 太陽光発電の普及をはかるために、市民ファンドやNPO,中小企業の力を活用しよう、市の建物の屋根を貸しだしてはどうか、と市長に迫りました。

 市長は、「ちょっと検討時間がほしい、問題なければ進めたい」と回答しました。

 三日間の本会議質問中で、太陽光発電のために公共施設の屋根を市民に使わせたらどうか、という角度からの質問が、さはし議員をはじめ数人から出されました。

 私も質問で、名古屋の長い日照時間は地域の重要な資源、大企業に買占めさせず、地元の中小企業や市民に活用してもらいましょうよ、と提案しました。

 太陽光の活用は時代の流れ、ポイントは市民の手でこの貴重な資源を活用するか、大企業に独占させるか、なのです。だからいま日本共産党と市民の共同が大切なのです。

2012年9月18日 (火)

中小企業支援とディサービスの災害時対応について本会議質問

 18日の本会議でr質問しました。以下、とりあえず質問した原稿を掲載します。

2012年9月18日 議案外質問 原稿              山口

(1)高齢者ディサービスの災害時対応について

  東日本大震災から一年半、そして伊勢湾台風から53年目の秋です。数々の災害で犠牲となった方々に対し、あらためて哀悼の意を表したいと思います。今日はまず、ディサービスの災害時の対応についてうかがいます。

高齢者を対象にした通所系介護サービス、いわゆるディサービスは、いま市内に500を超える事業所となり、一日平均約6300人が通う地域福祉と在宅介護を支える大きな存在となっています。

地震や台風が起きた時、ディサービスはどんな対応をとるのか。

昨年、百万人の避難勧告が出され、市内にも大きな被害をもたらした台風15号のとき、ディサービスではサービス提供を自粛すべきかどうか、利用者に帰宅をすすめるべきかどうか、その対応に少なくない混乱が生じていました。

保育園には、朝6時の時点で暴風警報が出た時は登園を見合わせとするなど、市から方針が示されます。障害者の通所施設にも市から、公立施設の取り扱いが参考として示されました。

ところが高齢者を預かるディサービスの対応はすべて、各事業所の判断に任されていました。市からは「利用者の帰宅等をふくめた安全確保策について検討」してくださいと伝えられただけです。サービス提供中に避難勧告や避難指示が出された場合の対応もすべて事業者まかせです。

一方で、ディサービスの急な中止で、食事がとれなくなった独居高齢者に、暴風雨のなかを一軒一軒、職員が食事を届けた事業所もありました。利用者の食の確保など、こうした対応もみんな事業所まかせです。

介護の制度が措置から契約へ変えられ、市が指導すべきものではないということなのでしょうか。高齢者の安全をどう確保するか、市にも責任があると思います。 

また施設への報酬体系が月額制から日額制に変わり、悪天候で休止すればその日の分だけ収入が減る仕組みになっています。このことから、とにかく営業する、と無理な稼働を招くことも懸念されます。

台風など災害発生時に、ディサービスの対応はどうするのか、行政として一定の指針を示す必要があると考えます。健康福祉局長の答弁を求めます。

 (2)中小企業の支援について

 次に、中小企業の支援について、市民経済局長にいくつかうかがいます。

名古屋市内の中小企業は、市内約13万事業所の99%を占め、また市内の従業者数は約146万人ですが、その75%、110万人は中小企業で働いています。まさしく中小企業は名古屋の経済と雇用を支える主役です。

しかしここ20年間に市内の事業所は約2万も減りました。ものづくりを担う製造業はここ30年で事業所も従業員数も半減です。地域経済の主役である中小企業を市としてどう支えていくか、が問われています。

1999年に改定された中小企業基本法で、都道府県だけでなく市町村にも中小企業を支援する責務があるとされました。一昨年には、中小企業憲章が閣議決定されました。愛知県でも中小企業振興条例がこの秋に制定される予定です。

さて名古屋市はどうでしょうか。

河村市長のもと2010年に策定された「中期戦略ビジョン」では、残念ながら、ビジョンの目標を示す「5つのまちの姿と45の施策」のタイトルのどこにも「中小企業」という言葉が出てきませんでした。

ようやく2011年に定めた「産業振興ビジョン」で、名古屋のめざす三つの姿の一つとして「中小企業の持続的成長」が盛り込まれました。そこでは2015年までの5年間で、立地または創業する事業所1100件、新規雇用4万人、という極めて具体的な目標が示されました。一歩前進です。

そして現在、今年度中に「中小企業振興基本条例」(まだ仮称ですが)を制定するための検討作業が始まりました。

中小企業振興条例については、一昨年201011月議会でわが党の田口議員も制定を求める質問をしており、当時の市民経済局長は「愛知県や政令市の動向も踏まえ、引き続き調査したい」との答弁でしたので、条例の検討開始は大きな前進と評価したいと思います。

名古屋市には、中小企業を支援するメニューはたくさんあります。しかし地域経済の主役として中小企業を位置づけ、全庁的な指針となる条例がありません。市独自の振興条例に期待するところ大であります。

そこでうかがいます。市としてこの時期に中小企業振興のために新たな条例を制定することにした一番の動機、条例の狙いは何でしょうか。愛知県や他都市も制定するから、という理由だけではないですよね。いままでの支援策では足りない何かがあるから、条例の制定をめざすのだと思いますが、それは何か、お答えてください。

次ぎに、条例の制定にあたり、しっかり位置づけていただきたい三つの点についてうかがいます。

第一は、小規模事業所への配慮を、条例にもしっかり位置づけることです。

小規模事業所とは、従業員が製造業その他では20人未満、商業・サービス業では5人未満の事業所のことを指しますが、全事業所数の70%を占めており、とくに製造業や建設業では9割を超えています。県の条例案には「小規模事業所への配慮」がうたわれていますが、市の条例構想では小規模事業所への言及がありません。家族経営もふくむ小規模零細業者の営業と生活実態を把握し、必要な配慮をすることは振興条例に欠かせないと思います。

 小規模事業所について、その実態を把握する独自の手立てをとり、その役割を踏まえて必要な配慮を条例に位置づけるべきです。小規模事業所についての認識をうかがいます。

第二に、「困っている中小企業を支え」る視点を行政の全施策に貫くことです。

中小企業憲章の「自立する中小企業を励まし、困っている中小企業を支え、そして、どんな問題も中小企業の立場で考えていく」という立場を堅持していただきたい。よく「がんばっている中小企業を応援する」というセリフも聴きますが、これが有望産業へシフトできる企業、業績が伸びそうな企業だけを選別して支援する意味だとすると、憲章の立場からはずれます。

いま中小企業が困っていることは何か、二つだけ具体的に指摘します。

ひとつは固定経費の負担です。小規模企業が行う一定規模以上の設備投資への助成が予算化され、現在53社から7400万円分の申込みがありました。設備投資を促すうえで一定の成果をあげていると思います。ただし補助限度額300万円の申請、つまり3000万円以上の投資を計画しているのは数社に限られ、平均の補助申請額は150万円にとどまっています。

設備投資の落ち込みは深刻で、市の税収見通しでも法人市民税は11.2%(減税前)も来年度は伸びる見通しなのに、償却資産にかかる固定資産税は逆にマイナス4.8%、12億円も減る予測です。

そしてもう少し現場の声を聴いてみると、設備投資は新規購入でなく、リースでという会社が増えているようです。この実態をよく見てください。

減税についても、条例の検討委員会の場では「固定資産税を下げてほしい」という声も聞かれました。利益があがれば税金はきちんと納めたい、ただ利益が出ないのに支払い費用がかさむ設備・機械のリース代など固定経費の負担こそ、何とかしてほしい、というのが切実な要求です。設備投資を促す助成も必要ですが、困っている中小企業には固定経費の助成こそが必要ではないでしょうか。

もう一つが税金です。とくに市税事務所に移行してから、税金の過酷な取り立てや機械的な差し押さえに対する苦情が増えています。国民健康保険についても滞納者への一律で機械的な差押えがやはり急増しています。売掛金を口座入金と同時に全額差し押さえるなど、営業の継続を妨害するようなケースまで聞こえてきます。町工場の社長の気持ちはようわかると言いながら、実際にやっているのは、病人から布団をむしりとるような過酷な税金や保険料の取り立てではないですか。

税務行政や保険年金業務についても、ていねいに分割納付の相談に応じる、事業の継続を困難にするような機械的な差押えはしない、誠実に分納に応じている業者には融資でも一定の配慮をする、などの対策も不可欠です。

「困っている中小企業を支える」という視点を条例で確立し、全庁的に徹底していただきたい。答弁を求めます。

 第三に、名古屋市独自の金融・相談機能のいっそうの充実です。

 県の中小企業振興条例案にあるのに、市条例の構想にないものの一つが「金融機関の役割」です。県条例案では中小企業振興に果たす金融機関の役割に触れています。信用金庫や信用組合などの協同組合金融や、メガバンク以外の地域銀行が、地域産業を支えるために果たす役割は大変大きく、そしていま、地域の金融機関は、単なる融資だけでなく中小企業に対する総合的なコンサルティング業務も担う地域産業支援機関ともいうべき機能を果たしつつあります。 市の条例にも、こうした金融機関の役割を明記する必要があります。

さて名古屋市には、政令市では唯一の小規模事業金融公社や政令市では全国で4市にしかない信用保証協会があります。中小企業の相談に乗る振興センターや技術支援を行う工業研究所もあります。これらの機能を有機的に活用すれば、金融機関以上に、地域産業を支援する機能を発揮できると思います。

 ところが「経営相談は市の事業だが融資の可否は保証協会、保証協会の判断には市は介入できません」とか、「金融公社では融資しますが、協会保証ではなく、保証人が必要、と言われて困った」とか、チグハグで使い勝手がいまひとつとの声をききます。もったいない話です。

せっかく市がもっている金融支援と相談機能を、もっと有機的に、使い勝手がよい利用者本位の仕組みに改善することが必要です。

条例には、金融・相談機能について名古屋市が積極的な役割を果たすべきことにもふれる必要があると考えますが、いかがでしょうか。

最後に、中小企業の仕事を増やす具体策についてです。

一つは、取引先開拓の支援を強めることです。特に製造業では特定の親会社の「系列」が強く、技術があっても異業種の分野などに十分に販路を広げられていない問題があります。

名古屋市でも産業振興公社が、新技術を紹介し、異業種交流をすすめるなどの取り組みを行っていますが、十分な成果があがっているでしょうか。

東大阪市の技術交流プラザのホームページがたいへん参考になります。地元中小企業の持つそれぞれの強み、売り込みたい技術や製品などを幅広く紹介するシンプルでわかりやすいホームページです。市の事業紹介ではなく、注文したい人が検索しやすいホームページの作成など、地元中小企業のもつ力をよく把握して、それらを効果的に情報発信することにもう一工夫してください。

二つめは、何度も提案している住宅リフォーム助成です。市内の需要を喚起することが景気刺激の基本です。とくに耐震補強や介護のためのバリアフリー化、さらには節電のためにと、住宅リフォームへの需要は広がりつつあります。

市の策定した住生活基本計画(住まいの基本計画)でも「住宅ストックの有効活用の促進」が掲げられ、リフォームの促進も大きな柱とされています。マンションの大規模修繕も視野に入れながら、住宅リフォーム助成制度をいまこそつくるときです。

三つめに、自然エネルギー分野への進出を特別に支援することです。名古屋の長い日照時間は、この地域の大切な資源です。大企業に買い占めさせず、地元中小企業と市民にこそ積極的に活用してもらう。市営住宅の屋上などを地元中小企業などに優先的に提供することも一つの呼び水になります。

官公需だけでなく、市民の力を活用して中小企業の仕事を増やす。その仕事を通して企業は地域社会に貢献する、その結果、市民は安心して環境にやさしい安全な街で暮らせる、そんなサイクルを廻していこうではありませんか。

中小企業の仕事を増やすためには、全庁的な取り組みが不可欠です。どう仕事を増やすのか、いくつか提案もしましたが、局長の答弁を求めて、一回目の質問を終わります。

2012年9月14日 (金)

18日の火曜日に本会議質問します

 名古屋市会9月定例会が始まりました。

 私は18日、連休明けの火曜日、午前中に質問に立ちます。ディサービスに災害時対応について、中小企業支援策について・・・振興条例の制定をめぐる諸点を中心に質問する予定です。 ぜひお聞きいただき、感想やご意見、厳しいご指摘を頂ければ幸いです。

 この9月議会が始まる直前に、財政福祉委員会や大都市行財政制度特別委員会などがあいつぎ開かれ、報告したいやりとりがいくつもありましたが、本会議質問が迫るなかでなかなかブログの更新もできませんでした。時間をみつけてまた、やりとりで感じたことなど、買いていきたいと思います。

 今日も議場では、政局がらみ、河合議員の不祥事がらみの質問が多かったのですが、なかなか市政の大きな課題が取り上げられなくなってきた、と感じています。 

2012年9月 8日 (土)

福島原発事故と内部被爆についての学習&健康相談会のご案内

 私たちの事務所や党市議団にも、福島や首都圏から避難してきた方たちから健康不安などの相談が寄せられています。とくに子どもの内部被ばくについての不安が強いのです。

 私が議員になる前に勤めていた、みなと医療生協、協立総合病院(熱田区五番町 電話052-654-2211)にも相談が寄せられているようです。

 さて、「福島原発事故と内部被ばく」についての学習と健康相談会が、愛知県保険医協会と愛知県民主医療機関連合会の共催で開催されますので、ご案内します。

 9月17日(月・休)午後1時15分~4時15分 

 東別院会館 会議室(蓮の間) 地下鉄「東別院」下車 西へ徒歩5分

 講演 福島原発事故と内部被ばくについて・・・講師 平野治和氏

 平野氏は、福井県民医連 光陽生協病院の院長 原発銀座の福井でがんばり、福島県でも住民の相談活動を行っています。

 申し込みと問い合わせは愛知民医連まで  できるだけ9月12日までに

 ☎052-883-6997 fax052-889-2112 メール kubota@aichiminiren.jp

 個別の相談にも医師が応じます。  

2012年9月 5日 (水)

どうなる 尾張名古屋共和国?

  8月9日の記事が切れていたので、再度載せます。 

河 河村市長が呼びかけた「尾張名古屋共和国構想」に沿って、関係する近隣市町村長の3回目の会合が開かれた。近隣自治体との連携を進めることは、全体構想とは関係なく必要な課題であり、また大都市問題に関する特別委員会の議題でもあるため、部分的にではあるが会合に参加することにした。

  ところが会合の直前に、河村市長が大村知事と「中京独立戦略本部」の会合を再開するにあたり「県も市も廃止し、新たな自治体を作る」方針を示したことに、自民党市議団が反発し、参加予定だった多数の自民などの市議が急遽、欠席した。

  会合では、参加した自治体から「具体的な将来像がよくわからない」「これまでの広域連携とどうちがうのか」「イメージがわかない」など、愛知県との関係や中京都構想と特別自治市との関係でも、戸惑いの声が出されていた。参加した自治体も前回の33から今回は25へと減った。結局、方面別に実務者が各論から話し合おうということだけが確認されたようだ。

  知多ソフィア観光ネットワーク代表山本勝子氏の講演「尾張の国と伊勢・三河の海」は、知多半島の歴史を踏まえた話で興味深いものだった。知多半島は複合的産業で成り立つ「なりわい多様性半島」であり単一の大企業だけが栄えるような構想ではダメ、愛知県は観光のアピールが弱く、自治体が連携して愛知県観光サミットを開いてきたが、そこには名古屋市の参加がない、具体的な連携のひとつとして観光を位置づけてほしい、と共和国構想にも注文をつけていらっしゃった。県が本来の役割を果たしていない分、この自治体連携に一定の期待があるのも確かだ。

  連携の具体的な課題を探ることは必要だが、中京都や共和国と言った制度論や枠組み論が先行し、現場は再び戸惑いを覚えているのが実情ではないか。熱が冷めた自民党はどうするのだろうか。私としては、住民の生活に密着したきめ細かい課題で連携が必要なものを整理するところから議論すべきと思う。冷静にいきましょう。

2012年9月 2日 (日)

港区総合防災訓練

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港区総合防災訓練が2日、福春小学校を会場に行われました。

南海トラフの巨大地震と津波による被害想定が新たに発表された直後の訓練でした。

が訓練はほぼ毎年のメニューどおり、津波避難のメニューが加わってきていますが、大きな変化はありません。

土木事務所のみなさんによる路上障害物除去訓練

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Img_0117_640x480倒壊した家屋から住民を助け出す救助訓練


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  福春学区はまだできたての学区です。が消防団員のみなさんはじめ手際よい動きで、さすが、と思いました。近隣学区のみなさんの協力も大切です。

 あと、ちょっと残念だったのはせっかく学校でやるのに、学校との連携があまり感じられなかったこと、校舎内では避難訓練も行われていたのですが、校内放送には緊張感が感じられなかったな(もっとも議員は10時ごろからしか参加していないので朝のには一体的な訓練があったかもしれません。失礼な記載になっていたらごめんなさい)。

 

 

2012年9月 1日 (土)

富山の視察(3) 路面電車が走り、剣・立山が見える街

  富山にはLRTがたくさん走っています。

 名古屋市でも、自動車交通を減らして公共交通の比重を増やす、広い道路を車のためだけに使うのではなく、歩行者や自転車、そして路面電車にも使えないか、という調査研究がすすめられています。港の視察の合間を縫ってLRTを撮ってみました。スマートな乗り物でした。 

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伏木富山港の視察に向かう途中、高岡市内ですれちがった万葉線高岡軌道線の愛称「アイトラム」。

 ここには旧型の市電もたくさん走っていました。

 市内を抜けると専用軌道を走り、庄川を渡り、新湊へと向かいます。古い街並みと富山新港の近代的港湾と工場群が並ぶ不思議な空間です。

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 富山市内に入ると、まず目に飛び込んできたのが富山地方鉄道の路面電車です。

3系統ある路線のなかで、右の写真は2系統の大学前への呉羽線、並行して走りながら撮りました。057_640x480

愛称はサントラム

 富山地方鉄道の富山都心線は、左回りに巡回する環状線です。単線の一方通行ですが、街のサイズにちょうど合ってるようです。

 

 この電車の愛称はセントラム。

 

 JR富山駅は北陸新幹線の工事中で駅前をふくめて雑然としていましたが、市電が走る市内は、風情がありました。

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 最後に、日本初の本格的LRT導入路線として有名な旧富山港線=富山ライトレール。 

 話には聞いていましたが、ようやく本物を見ることができました。

 富岩運河の水上ラインと、このライトレールを片道ずつどうぞ、というのが新しい観光の目玉として売り出されていました。運河の船だけでは時間がかかる。うまい組み合わせだ、と思います。

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 愛称はポートラム。ここはすべての車両が新型路面電車になっています。
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 駅舎は古いが走ってくる電車は未来の乗り物という不思議な雰囲気です。

 
フィーダーバスが停まっているところも見ました。低床電車でホームも段差がほとんどない、そのまま目の前がバス停で、近隣地域へとつないでいます。公共交通の新しい形です。

 終点の岩瀬浜駅。

 視察した伏木富山港は、実は三つの港の総称。伏木港、富山新港、そしてここ岩瀬浜が最寄駅となる富山港(神通川河口の港)。

 全体の視察では行かなかったので、帰りにちょっとだけ覗いてきました。富岩運河とは富山と岩瀬浜を結ぶ運河という意味。

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朝の剣岳、右隣の立山は雲の中でしたが、市街から目の前に北アルプスの山々が広がる風景に思わずうなりました。 

 山が見える街はそれだけでも十分に魅力的です。雪山の季節ならばどんな迫力なのでしょうか。 

 富山港はアジアからのクルーズ線の誘致にも力を入れています。立山黒部アルペンルートを含めた観光地としても海外に売出し中でした。それに比べて名古屋港はほんとうに物流の港だな、とあらためて実感しました。

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