食品の放射線物質室測定 新基準に名古屋市は対応できるか?
食品中の放射線物質の検査について、国は今年4月から食品衛生法にもとづく基準値を新たに定めました。昨年3月に示されたは暫定規制値から比べると厳しい数値です。
放射線セシウムが食品1kgあたり何Ba(ベクレル)か、新旧比較してみると次の通り。
飲料水 200⇒10 牛乳 200⇒50 乳児用食品 新たに50 一般食品 500⇒100
名古屋市も、この新基準にもとづき必要な検査を行います。ところが・・・・・名古屋市が補正予算を組んで購入した検査機器が新基準に対応できるのか?
食品衛生検査所(日比野の中央市場内にあります)にあるγ線用シンチレーションサーベイメーター(56万7千円)の測定能力は200Baが限界なのです。
衛生研究所にあるγ線スペクトロメーター(6年リース リース料年間160万円)は、1桁まで測定可能で通常は5Baまで測定しているそうです。
国は17都県については生産地で検査を行っており、消費地である名古屋市では市場での検査が中心です。飲料水や学校給食の検査体制もそれぞれ確立されてはいます。
消費者が不安を感じた食品については、もよりの保健所で相談に応じる体制をとっています。例えば、東北の親戚から畑でとれたものをおくってきたけど、といった相談です。
検査の必要がある時はサーベイメーター(各保健所に貸し出しも可能な携帯型です)で簡易検査していましたが200Baまでしかわからず、新基準をクリアしているか不明です。
必要に応じて衛生研究所のスペクトロメーターで精密な測定もできますが、通常は正確な測定のためには検体として1kgは必要とされ、かつ、すりつぶす必要もあるため、検査した後、普通に食用できないことが一般的です。
過剰な不安をあおることは問題ですが、国は新基準を示しながら、自治体の検査体制については何の方策も立てていないようです。
名古屋市も昨年、急いで補正予算まで組んだのに、200Baまでの機械では使い方も限定されてしまいます。どうにもチグハグで、市民の不安にうまく応えていません。
新基準に対応できる検査体制の確立に向けて、国や市に必要な対策をとるよう働きかけていきたいと思います。民間や他都市の検査体制などで役立つ情報があれば、教えてください。よろしくお願いします。
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コメント
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名古屋市がたった60万の放射線測定器しか予算をつけないのには、驚きました。これじゃ何の役にも立たない。せめて500万ぐらいのNAI検出器でないと、給食の食材の検査はできない。200ベクレルが限度って、話にならないですよね。西区のC-ラボでも、NAI検出器です。検査員も増員することも大事でしょう。
検出されて問題になっている、干ししいたけ、たけのこ、水産物など、汚染傾向のある食品はすぐに、検査強化すべきですね。
市衛生研究所の検査件数は愛知県と比べても少ないと感じてます。
検査員がおそらく、不足しているのではないでしょうか。体制を強化することも大事ですね。
投稿: くれまつ順子 | 2012年4月20日 (金) 21時39分
貴重なご意見ありがとうございました。民間の検査機関等が所持している検査機器等の情報も集めたいと思います。何のためにどんな検査をするために購入したのか、これからはその程度の機器をいくつ揃えるのか、給食、食肉、水道、一般食品の市場(青果・水産物など)の検査体制をあらためてチェックしなければいけなせんね。
投稿: 山口清明 | 2012年4月21日 (土) 16時07分